粉塵の中の蝶 ひだまり 体育祭が終わったあの日 高校のイベントの最後を飾った日 相手のチームの笑顔を見た日 目の前の道路の 猛スピードで通り過ぎるトラックの タイヤがとばす砂利の中 かんかん照りの 9月の太陽が水分を沸騰させるような じりじりとした熱気の中 蝶がいた ゆらゆら頼りなさげに 何をばねに飛んでいく 私の体の水分は 先ほどまでいた祭りの熱さを思い出し 騒いでいる 重力に沈む体をひっしと抱き起こし 信号の先にかげろうを見た 私は蝶なのだ さわらび138へ戻る さわらびへ戻る 戻る