粉塵の中の蝶

ひだまり



体育祭が終わったあの日
高校のイベントの最後を飾った日
相手のチームの笑顔を見た日

目の前の道路の
猛スピードで通り過ぎるトラックの
タイヤがとばす砂利の中
かんかん照りの
9月の太陽が水分を沸騰させるような
じりじりとした熱気の中

蝶がいた
ゆらゆら頼りなさげに
何をばねに飛んでいく

私の体の水分は
先ほどまでいた祭りの熱さを思い出し
騒いでいる

重力に沈む体をひっしと抱き起こし
信号の先にかげろうを見た

私は蝶なのだ
 


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