とーとろじー ろりくれ いつの間にか世界に取り残されている。そんな気がしてならなかった。きっと皆はどこか遠くへ行ってしまったのだ。僕だけを置き去りにして。いや、正確には僕はみんなに着いていくことができなかったのかも知れない。ハグレチャッタ?今となってはもう知る由もない。 のどが渇いた 作/絵 おまえら 夜の空気を胸いっぱいに吸い込んだ。夜の闇にネオンライトが溶け込んで視界が瞬く間に歪んでいく。夜の空白を埋めるものは何だろうか。人間ちゃんの鬱々としたため息だよ。空気に課税しよう。悪いことは大抵夜に思いつく。そうだろう?今まで何回も言ってきたじゃないか。早くお家に帰りたいよ。僕は公園のブランコに座りながらそう思ったのだろうか。あるいは、何でもない。めんどうくさいや。 ブランコの漕ぎ方を覚えている。保育園の時に心血注いで習得したのだ。忘れるわけがない。保育園でブランコに乗るのは大変だ。まず、外で遊ぶ時間は限られているし、その次にブランコは二つしかないため、代わる代わる乗ることを強いられた。 ブランコ乗りのキキは最後鳥になった? ブラコンの妹欲しいわ。何の話だったか。結論として、園児は可愛いということだった。熟していない果実は渋いだろうが、成熟していない女の子は渋いだろうか?世間の目は冷たいだろうが、僕の心は灼熱だ。は? 熱盛。転生したい、ジュニアアイドルグループのプロデューサーに。転生トラック。何時になっても道路を行き交う車に嫌気がさした。何で途切れないんだ。しりとり→りす→すみれ→れんこん→ン・ダグバ・ゼバ。なったんだね、究極の存在に。鉄臭い鎖をぎゅっと握りしめていた手が冷たさに耐え切れなくなってきた。帰るわ。あほくさ。ちょっと待って、ぬくぬくの缶こーひー買う。ぷしっ。我酷似桐人、彼女明日奈似。幼女嫌いだわ。生温かい嘘を一つだけ吐いた。大人はみんな嘘つきだな。僕にまで嘘を吐かせようとするんだ。みんな大嫌いだぜ。星見えないわぁ。Who is Nijika? For Lolicom, she is Loli. 「Lolita, light of my life, fire in my loins.」 僕は空き缶をぱきゃぱきゃ握りつぶして、その辺に投げ捨てた。 神は「NTRあれ」と言われた。するとNTRがあった。 他愛のない問いかけ、往々にしてそれは会話の糸口にすぎないものなんだよ。 休みの日に何をしているのか。 僕はその問いに対して深く考え込んでしまった。 答えは沈黙。 難問では無いだろうに。深い意味なんてないだろうに。 考えるまでもなく事実をありのままに話せばよいのだから即答できるはずだ。けれども、答えることができなかった。 探れど探れど、僕はいったいぜんたい何もしてなどいなかったのだ。勿論、ご飯を食べてはいるし、お風呂に入ってもいる。とはいえ、そういった日常的に最低限なことは生きていると言う事とさして変わりのない、殊更に言うべきことでもないだろう。 僕がそんなふうだから、もう僕は誰からも話を振られることはなかったし、僕としても誰かに話しかける性分ではなかったので、誰とも交流が無くなったのであった。 空虚と一言に言ってしまうことは残酷だ。僕は今を肯定も否定もしたくなかった。 今はきっと何もないがあるだけだが、これから先は今よりもマイナスが続いている、という無根拠の確信があった。 鈍色の鳥が視界の端で幾羽か飛び去ったことにすら恨めし気な視線を向けることしかできない自分が情けなかった。 なぜ何もないのか。その理由は自分でも分かりきっていた。僕は何かを見つめる眼を覆い隠していたのだ。世界がどんな風にできているかを目に入れたくなかった。たまに勇気を振り絞って薄目を開いても淡い解像度から伝わる世界のおぞましさにただ怯えることしかできず、甲斐性のない僕は再び固く目を閉じることで、何も何も知ることのない幸せな世界へと逃げ帰ってくるのだった。 僕は人付き合いが苦手だ。僕は他人に誇れる人間ではないし、他人に期待されるような普通を持ち合わせているような人間ではなかったが。否、異常な感まである。孤独に耐えかねた僕は、わけがわからぬまま、再び人に会おうとするのだろうか。『僕は本物が欲しい。』本物って何だ?maxコーヒーを飲んだら分かるのだろうか。 いや、でも、but、しかし、 僕は静寂が嫌いだ。全然饒舌じゃないからな。だからいっつも音に囲まれていたかった。それはラジオだったり、テレビだったりasmrだったりasmrだったりasmrだった。無音を嫌ったからといって、何かを聞いているわけではなかった。ただ音が流れているだけで何でもよかった。INTERNET YAMERO 僕はしいたけが嫌いだ。ずっと嫌いだ。 僕は何もしないことができない。 そんなうちに僕はさまよった。ここからできるだけ離れた都市へ。夜を日に継いで歩いた。 歩いて歩いてひたすらに歩いた。あてどなくただ歩いた。そのうちに僕はどこにもたどり着かなかった。視界がぐらぐらと揺れた。 全部夢だった。夢オチなんてサイテーだ、快楽堕ちしか勝たん。ぱぁになるぅ? いつしか踏ん張れなくなった。握りしめられなくなった。食いしばれなくなった。 いつまでも逃げつづけることはできない。何事にも終わりがある。もとい何事も終わらせないといけない。 そしてそのことが何よりも億劫だ。 「unwelcome school」が響き渡る。アラームだ。僕がセットした。知ってる天井だ。眠ってる間に頬を伝っていた涙と、上の口のよだれを袖で拭った。初雪の降る朝だった。毎年雪降る時期あるよな。今日もいい天気☆ 底冷えのしそうな廊下に生足を這わせることは躊躇われた。すぐに起き上がることはない。布団でぬくぬくだ。ぬきぬき。 トントントン、と階段を上るリズミカルな足音がすぐ耳元で聞こえた気がした。僕のもとに向かって近づいて来ているように感じられた。でもそれはありえない話し!!この家に今は僕以外の誰かが居るはずは無かった。居ていいはずが無かった。僕の意識は呼び戻されつつあった。 遠慮気に扉は少し開かれ、朝の冷気が押し出されるようにして入ってきた。 「おにいさん......?」と不安そうに。わぉ多分僕のことだろうか。僕に違いない。半開きのドアからのぞかせた彼女の半身から推定するに十一歳だ。僕はロリコンではありませんが、小学生と丸太小屋に住みたいです。エッチなのは絶対駄目死刑。なにもんなんじゃ? 近所の小学校の制服に身を包んだ少女はやや膨らみかけの胸まで黒髪をかからせている。ほっそりとした腰つきに乱れたプリーツスカートをひらひらはためかせている。そこから伸びた太ももが寒さゆえか、少し赤みがかっており、つづくひざ下から足先にかけて頼りない薄手の靴下を穿いていた。 何よりも、同じだった。妹が通っていた小学校と同じ......。 彼女はきっと雪の精だ。僕を迎えに空から舞い降りてきた天使。妖精が静かにステップの一歩目を踏み出すことで時間が再び動き出した。少女だけは終わるべきでない存在だった。終わりが無いのが終わり。 朝からおは幼女に会えるなんてロリコン冥利に尽きるぜ。 「気持ち悪い。」 淫らな視線に気づくような勘のいいメスガキは嫌いだ。 ノゲノラとけもフレの二期どこに行った? 「どうやって入ってきたの?」 少女は答えなかった。僕が応えなかったように。王様になれなくても「応様」にはなれる。 僕はベッドから飛び上がり少女を押し倒した。 少女は盛大な音を立てて床に背中を打ち付けた。痛そう。少女の柔い体では僕がかけた体重で押し潰れてしまいそうなくらい酷く柔く感じられた。ぷにぷに。 僕は今まで女の子に強圧的な態度を露わにすることも、暴力的な手段に出ることもなかった。むしろ下手に出るし、怖がってさえいた。今は打って変わって妙に力が湧いた。とはいえ。少女を押し倒すのにパワーを要しなかった。 僕は少女に馬乗りになり床に手をついて初めて彼女の顔をまじまじと見ることになった。急激に押さえつけられた少女は、その真白な顔を苦悶に歪ませていた。僕まで息苦しくなってきた。少女は狭まった気道から声を振り絞った。 「ひどいじゃないか、ロリコンのお兄さん。」 あくまで剽軽な物言いだった。 「どうしてロリコン何だ?ショタコンかも知れないぞ(?)。」と意趣返しにもなってない。上ずった声で軽口を返した。 「そりゃぁ、お兄さん、周りをよく見てごらんよ。なんだい、あのこども●●●を大々的に打ち出したタペストリーは?ロリコンと言わずしてどう言うの?それに今この状況、お兄さんボクの上にまたがって悦んでいるじゃないか。それがなによりの証拠だとボクは思うよ。それより早く僕を解放してくれないか。さっきからその屹立した下腹部を擦り付けてくるのが気持ち悪くて仕方ないよ。いや、それよりも、さっきからずっとにたにたと笑っているその顔、気味悪くて仕方ないよ。」 僕っ娘だった。果たしてこの世に存在したのだろうか。 「えっ...悪い」 つい謝ってしまった。もとい誤ってしまったというべきか、少女の拘束を解いていた。それでも少女は急に襲い掛かってくるでもなく、仰向けになったまま薄い胸を上下させただけだった。堰を切ったようにまくしたてた少女に正直僕は気圧(きあつ)されていた。 「扱いが荒いよ。人形じゃないんだからさ。」 床面に投げうたせている手足と乱れた黒髪を見て、今更ながら悪いことをしたと本気で思った。もしかすれば、お腹にあざの一つや二つ作ってしまったのかもしれない。 ・・・だって僕は悪くない。 「ところで、どうして僕の家に居るの?」 少女を受け入れたわけではなかった。やがて僕は考えるのをやめた。 「まるで僕が勝手に入ってきたかのような言い草だが、それは君の勘違いだ。君が僕を呼び寄せたと言った方がいくばくか正しい。僕が言うのだから、そうなんだ。てめぇで考えやがれです。」 「分からない。」 まるで分からない。 「なら、分からないまま死ぬんだ。」ランドセル少女ちゃんのちっちゃな唇から飛び出してきたとは到底思えない言葉と、そして、小さな体躯に不似合いな鈍器。少女の面をした気狂いだ。 「そうはならんでしょうに」 少女は両手で持ったソレを思いっきし振りかぶった。わァ...。フルスピードで少女に撲殺されるのが僕の人生だった。 Now Loading...... 僕は本日二度目の目覚めを果たした。頭に鈍い痛みが走る。うっ。血が出てる。赤くて怖い。こんなの長男じゃなかったら耐えられなかった。 「殺し損ねました。おにぃさん。運がいいのやら、悪いのやら。お兄ちゃんはしにぞこない!」 どうやら僕は昏倒中ずっとランドセルちゃんの膝枕ちゃんに頭を預けていたみたいだった。無様な僕と目が合い少女は初めて笑った。目を細めて笑った。無邪気な笑みにも、嘲笑であるかのようにも思われた。こども体温と柔肌を後頭部に感じつつ僕は目をつむった。視界が暗転する。おぎゃりそう。 彼女は去らなければいけなかった。そのことを僕は知っていた。少女はおもむろに僕の頭をベッドにおしのける。 彼女は思い出したかのように窓に手を押し当て、目を細めた。何を見てるのだろうか。 「すごく寒い。」 「............。冬は好き?」 「いいや。でも雪は好きだよ。」 「そう...。」 「どこへ行こうか。」 「行けるとこまで。」 「僕はそろそろ帰らないと。」 「僕も一緒に。」 「それはできないんだ。」 「できない?」 「ああ。」
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