Silent Love

竹原凰希



シャボン玉は飛んでいく
心の中から のどの奥から
どこかに飛んでいくこともできずに
  あなたにも届かずに
すうっと消えていった

空っぽの人形は 口を開けることさえできずに
あなたの話をただ待っている
空っぽの宝箱をもらったって
全然うれしくないでしょう?

時の流れがゆっくりになって
心地よい光が差し込んでくるときには
あなたを心の中へと招待したいの
喋ることなんて何にもないし
お菓子も紅茶もないけれども
あなたの側にいたいの
静かに 言葉も雑音もないところで


ちょっとの間でいいから


息苦しい
辛い
煩い
怖い
だるい
空っぽの心に全部しまい込んで
起き上がるのも喋るのも億劫なの

わたしはどうにか動いてる
今はまだ時間があるはずだから

だから
今は何も言わないで
今日ぐらいは ゆっくり  静かに

あなたの隣で


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