A Lonely Crescent

あみの酸



視界が捻れて揺れて、                              
時空が歪んで拡がって、                             
聞こえるどの音も曇って、                            
現実は遙か彼方へ旅をする。                           
アルコール漬けの眼の奥が、                           
サイケデリックな像を結んだ。            三日月           
散々液体を摂取した筈なのだけど、        も姿を消した          
渇き切った喉が鬱陶しくなったから、     午前二時。澄んだ          
水を飲んだのに奥底に消えていき、        寂しさ酔いで          
新たな渇きがただ生成される。            濁らず           
中身を失った瓶が熔けては、                           
認識が型を無くしていって、                           
融解した硝子は戻らずに、                            
景色を混ぜて景色を漂う。                            
鼓動に合わせて刻むビート、                           
景色から鳴り響く大音量、                            
鼻腔を擽り肌を熱くし、                             
強い香りが色を持つ。                              
震える世界を飛ぶ感覚。                             


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