サンダーヒーロー

藩荷原課



ハロー ?せっぽっちの少年よ
涙にはもう飽きたかい
誰も君を見ない世界で
レースを眺めるのは楽しいかい

ハロー 君でしかない少年よ
その拳の血はなんだい
壁はまだそびえているけど
それはいったい誰が建てたんだい」

雷の音はまだ遠い
太陽は雲を貫けないぞ
都合のいい夢は君が嫌いなんだ
心臓の音は気のせいか?
僕を起こせるのは僕だけなんだ
ドアの鍵はとっくに錆びてる
嵐の前に位置に着け
世界を変えるスタートダッシュだ

今 雷の音で僕は僕を飛び出す

恥ずかしいほど熱い歌を叫んだ
空も走れそうな感情の塊を
冷たい風にぶつけながら
ここで逃げたらずっと後悔するから
狂おしいほど強い声で叫んだ
笑われそうなくらい下手くそな走りで
涙を雨で誤魔化しながら
それでも胸の熱は消えていないから
格好悪い僕の背中を
昨日の「君」と「僕」が見て
拍手喝采でこう叫ぶんだ
「格好いいぞサンダーヒーロー
 待ってろ すぐに追い越すさ」

悲劇も運命もぶっちぎって
僕が世界の中心で
ここが時間の最先端だと
誰もが嘘だと否定しながら
誰もが夢見るその場所へ
憧れを叫びに 僕は行く


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