あおい

坂田伊緒




    わたしはあおい

    師の言葉などいらぬ

    目的地はとてつもなく遠い

    しかし、踏み出す足取りに迷いはない

    



    わたしはあおい

    落とされた太陽が微笑を浮かべている

    それはいつのことだったのかなどとうに忘れた

    この場所は譲らぬ





    わたしはあおい

    深く、深く君を受け入れよう

    湿っぽい日々が身を焦がすなら

    清く冷たきこの場所で君を癒そう





    わたしはあおい

    誰に向かうでもなく、頭をたれよう

    柔らかな花弁を身に纏い

    かわいげのないこの身を恥じ

    しかしてまた血は重なるのだ



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