パラノイア 内藤紗彩 終焉はいつも突然訪れる 禍々しくも美しいそれは 軽快な音を響かせドアを叩く 聞こえない 聴こえない 眼を瞑り 耳を塞ぎ 息を止める あぁ いっそこの胸の鼓動まで奪ってはくれまいか 渇いた声が私を探す 私は何も応えない 恐怖 静寂 安堵 そっと目を開き 顔を上げて 息をついた 長い腕が私を包む それは優しく囁いた 「居留守ですか?」 さわらび115へ戻る さわらびへ戻る 戻る