水 森野 民 ぽとん ある日 私はころげおちた 苔むした緑のベッド そこからすぅーっと ころげおちた ぴちょん ある日 私はとけこんだ ふわりと身体がなじんでく 上をみれば波紋が広がる さらさら ある日 私は走りだした よどんだ淵にとろとろと漂っていた 私は背をおされ旅にでた ばしゃーん ある日 わたしはおっこちた ふわっとしたと思ったら すーっとおちてのみ込まれた ぼぉーっ ある日 私は広いところにでた まわりはしょっぱかった だだっぴろいところ しゅう ある日 私は空を飛んだ すぅっととけていくように 私は風と旅にでた もこっ ある日 私はとりこまれた もこもこ もふもふした 綿のかたまり 白い家 ざあっ ある日 私は生みおとされた さようなら 私の白い家 こんにちは 私の緑のベッド
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