背伸び
イ円ライター 作
巴巴巴 編

三. 積み木積み背丈超えても更に積む震える塔と手とつま先と

五. ぎしぎしと呻くは私か鉄棒か伸びきるまでは離してやらない

七. 端ばかり決まって私の定位置で『あ』から始まる名字も憎い

十一.簡単に届くあなたに嫉妬して五年でセンチとインチの違い

十三.夏の陣あなたの走りが見たいのに人波の中グランドで溺れて

十七.らしくないあなたの背伸びが可愛くて二つ返事で踵が下りて

十九.ずっと前届かなかった鉄棒をくぐって今日も背筋を伸ばす



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